自宅で洗える布団などであれば洗濯自体は可能です。
しかし、洗えばそれで終わりではありません。
衣服と同様に、洗った布団は干さねばならないのですから。
布団を干す場所の確保
「庭付き二階建ての一軒家でサンルーム付き」というご家庭なら、洗濯物を干すスペースは有り余っていると思います。
しかし、日本のご家庭でこのレベルのスペースがあるのは稀だと思われ、布団を干すスペースの確保は難しいでしょう。
独身ならワンルームマンションの可能性が高いですが、ワンルームのベランダ横幅が窓2枚分より少し大きい程度とすると、布団を干せばもう他は干しづらくなります。
ファミリー向けマンションならスペースは確保できる、ということもなく、家族の人数分の洗濯物を干さねばなりませんから、使えるスペース自体はあまりないでしょう。
布団干し台を使う
日本ではとにかく省スペース化が重要ですから、使わない時も使う時もコンパクトで便利な布団干し台がありますので、布団干し台の利用をお勧めします。
陰干しにはなってしまいますが、室内窓付近に布団干し台をおけば乾燥自体は可能です。
「台」という言葉はついていますが、実際にはパイプで組まれた骨組みだけの構造で、布団の大きさ以上の平たい木の板などという物ではありません。
一つ干しを複数購入する
あえて一つ干しの布団干し台を複数購入するというのも一つの方法です。
布団と布団の間隔が空いていた方が湿気の飛び具合はよくなり、乾燥効率が期待できるためです。
他にも庭が狭い二階建て一軒家の場合にも有効です。
庭がなくても、風通しのよい窓際があれば陰干しは可能ですから、一階と二階に分けて布団を干すことも考えられるからです。
この場合は一つ干し用の布団干し台が二つあった方が都合が良いでしょう。
扇風機を併用する
布団干し台で布団を干す際に、布団と床の間の空間に向けて扇風機を当てる方法があります。
これ、布団から発生する湿気がその場に止るのを防ぐ目的があり、乾燥効率を上げることが可能です。
もちろん窓際で常に風が吹いているなら、扇風機を使う意味はあまりありません。
シーツは布団と同サイズ
布団を洗う、ということはシーツも洗うということです。
シーツは布団よりも高頻度で洗濯すると思いますが、布団を洗うタイミングにあわせて洗う可能性が高いでしょう。
なぜなら、洗濯した布団に古いシーツをかけたくなどないからです。
シーツを新しく変えるなら古いシーツはそのタイミングで洗わねばなりません。
サイズ的には前述の布団干し台が使えるはずですから、それも利用することをお勧めします。
布団乾燥機を使う
布団乾燥機を使えば、当然洗濯後の布団の湿気を取除き乾燥させることが可能です。
ダニ対策としての布団乾燥機の利用に効果は期待できませんが、本来の用途である「布団の乾燥」に関していえばそれなりに信頼できます。
注意するポイントとしては、以下の点が挙げられます。
- 布団をしっかり乾燥させるためには1時間以上かかる
- 手入れをしないと乾燥機の中にカビが発生する
湿気は簡単にはぬけませんから、それなりに長時間熱風を当てなければなりません。
もちろん機種や設定にもよるのですが、最低でも一時間以上と考えた方が良いようです。
また、クーラーや空気清浄機と同様に、手入れをしないと布団乾燥機内部にカビが発生してしまいます。
下手をすると、布団乾燥機でカビを布団の中に送り込むことになりかねません。
布団の手入れと同様に、布団乾燥機の手入れも定期的に行いましょう。
洗濯に関わらない布団干し
ここまでは「布団を丸洗いした後の布団干し」についてでしたが、洗濯に関わらず布団の湿気を抜くことには意義があります。
布団で一晩寝ると、寝汗でコップ一杯の水分がでるといわれていますが、問題は量ではなく必ず汗がでるという点です。
汗は水分ですから、布団の中に籠ることでカビの原因となり、また、湿気を好むダニにとっては好環境になります。
つまり、日常的に機会を見つけて布団を干すのがダニ対策にも有効です。
布団丸洗いごとは違い、2,3時間でも良いので日照時間や温度もあまり気にする必要はありません。
ただ、湿度には注意しましょう。
雨の日に布団を陰干ししても湿気は飛ばず、場合によっては干す前以上に水分を吸収してしまいますから。
布団乾燥剤
布団干しとは趣旨が違いますが、布団を押し入れなどで保管する際には乾燥剤(除湿剤)が必須です。
効果に限界はありますし、過信は出来ないのですが、湿気を「取る」のではなく「増やさない」と考えれば効果を理解しやすいと思います。
布団乾燥シート
また、押し入れ以外にも通常利用時に使う布団乾燥シートという種類の商品もあります。
例えば以下のような商品です。
布団を敷いて寝る際に、布団の下に除湿シートを付けようという発想ですね。
睡眠時の汗の水分は布団の下のほうにたまっていきますから、布団下でその汗の水分を取除ければ、収納時にも水分の増加はかなり軽減できるでしょう。
あくまで使用中の布団で増加する湿気対策という効果ではありますし、使い続けるにはコストがかかりますが、日常的な布団の湿気対策として有効な方法だと思います。
まとめ
どの方法を取るにせよ、布団の乾燥にはそれなりの時間が必要になります。
単に外に干す場合、朝方干して夕方取り込むというのは天気がよければできますが、常にそうとはかぎりません。
また、想定外に雨に降られた場合は止むなく室内干しとなりますが、布団干し台を使ったとしても乾燥は難しいでしょう。
布団と衣類の大きな違いとして、単純に繊維の密度や嵩(かさ)が挙げられます。
衣服は当然薄くて乾燥が早いですが、布団は嵩があるため内部の水分は簡単には抜けません。むしろ籠りやすいとさえ言えます。
家事の合間に乾いていればいいですが、乾いていないと濡れた布団をどうにかせねばならなくなり、結果としてカビやダニ、ハウスダストの発生を助長する結果になります。