室内のハウスダスト対策としては、掃除機掛けが一般的だと思います。しかし、掃除機の使用自体にリスクが潜んでいます。このページでは、掃除で浮遊するハウスダストと掃除機について書いています。
なお、「室内環境 Vol. 10(2007) No. 1」という雑誌に「室内からのダニアレルゲン除去法」という有益な論文がありますので、この論文からいくつか引用したいと思います。
掃除機による浮遊ハウスダストの増加
掃除機のリスクとは、ズバリ「浮遊ハウスダストの増加」です。
ハウスダストというのは、カーペットや布団の中に絡み付いているだけではなく、モノの上に堆積します。つまり、通常もっともハウスダストが体積しやすいのは、室内で面積が最も広い床の上となります。
掃除機をかけることで、掃除機の排気により床上に堆積したハウスダストが舞い上がり空気中に撒き散らされるわけです。
考えてみれば当然のことですね...。
掃除機選びの留意点の再考
ハウスダストの用の掃除機を選ぶ場合、排気のクリーンさは非常に重要です。掃除機で吸い取ったハウスダストを再度吐き出していては意味がありませんから。
しかし、排気自体で浮遊ハウスダストが増加することは間違いなく、これは排気のクリーンさには全く関係がありません。
単に、排気という風の力による影響だからです。
ハウスダスト対策としては、「排気0」の掃除機が必要になるわけですが、当然そんなものはありません(もしもそういう掃除機がありましたらぜひお教えいただきたいです)。
スプレーの利用
空気中に清掃補助スプレーを使う方法もあり、論文では以下のように効果を示しています。
一般世帯にて通常の掃除機がけに加え,カーペットとフローリングに清掃補助スプレー(ダスト除去促進剤,アレルゲン性低減化剤,ダニ忌避剤を含む)を使用した清掃を二週間実施し(スプレー使用群17例,非使用群9例),スプレー使用前後のカーペットとフローリングからダストを採取し,そのDer1量を測定した16)。カーペットもフローリングも,清掃後のDer1量は両群において減少したが,使用群において非使用群よりも有意に減少した。
2007年の論文ですから用いられたものが現在入手可能とはおもえませんので、今買うなら恐らく花王さんの「クイックル ハウスダスト除去スプレー 本体 300ml」がよいかと思います。
なお、「スプレーでハウスダストを消し去ろう!」などという意図ではありません。あくまで、ハウスダストが舞い上がるのを軽減するためと考えてください。
スプレーだけでハウスダストがなくなるなら、おそらくすでにハウスダストによるアレルギーはほとんどなくなっていると思います...。
空気清浄機の利用
正直な所、部屋の広さや性能を考えますとあまり効果が期待できないのですが、舞っているハウスダスト対策としては空気清浄機が有効でしょう。
マイナスイオンなどというものは忘れて、フィルターと吸引力の性能が高いものを選ぶべきです。
必要なのは、浮遊してしまったハウスダストを吸って集めて取除くことです。「イオンで分解」などは期待するべきではありません。
筆者は家電に強くなく、また空気清浄機はスプレーよりも遥かに高額ですから、気軽に進める訳にいかず...。気になる方は、ヨドバシやヤマダなどにいる家電担当の店員さんに伺う事をおすすめします。
フローリングと掃除中の浮遊ハウスダスト
フローリングとカーペットであれば、床自体に存在するハウスダスト量はカーペットの方が上です。しかし、掃除で舞い上がるハウスダスト量は、フローリングとカーペットで実は同じ量だそうです。論文の該当部分を引用します。
カーペットより得られたDer1量はフローリングよりも有意に多かったにも関わらず,空中Der1量は,カーペットを掃除機がけした時とフローリングを掃除機がけした時の間に有意差は認められなかった。
フローリングですと、堆積しているハウスダストの殆どが掃除機の排気で舞い上がるようで、結果としてカーペットの時と同量になるとのことです。
フローリングといえど油断ができません...。
フローリングはワイパーがオススメ
フローリングのハウスダスト掃除に関しては、掃除機よりもワイパーが断然オススメです。
理由は簡単。排気がないからです。
ハウスダストを舞い上げないということは、堆積したハウスダストをそのままワイパーで拭き取れるわけですから、効率がよいのも当然ですね。
花王繋がりということで、「クイックルワイパー」をおすすめしてみます。
ハウスダストとの戦いは終わらない
ハウスダストの原因となるダニは決して絶滅させられませんし、皮脂もフケもとまりませんし、得体のしれない粒子も発生が防げません。
ハウスダストとの戦いに終わりはないので、日々のお掃除を出来るだけら楽に、かつ効果的にこなしたいものです。
習慣化した掃除法が悪い訳では決しありませんが、今まで行わなった方法が有効な場合も多々あります。
情報を常に仕入れつつ、効果的なものがあれば取り入れるのがよいかと思います。