ダニ駆除の方法として、ネットに書かれている情報の中には、効果の怪しい情報がいくつも存在します。
このページでは、それらの怪しいダニ退治の方法について検討したいと思います。
怪しいダニ退治の方法
以下がこのページで扱う怪しいダニ退治の方法です。
先に結論を書いてしまうと以下のようになります。
紫外線以外は微妙にダニ退治に効果がある要素を持っていますが、手軽さを求めるあまりダニが死ぬレベルに達していません
布団を黒いビニール袋に入れて干す
布団に黒いビニール袋を使ったダニ退治の方法とは、概ね以下のような方法です。
- 布団に黒ビニール袋をかぶせる
- 日光を直接当てて温度を上げる
- 上げた温度でダニを焼き殺す
ダニを殺す方法として、高温で焼き殺すのは確かに有効な方法です。
しかしそのためには、最低50度で20分以上(70度で40分というデータもあるそうです。参考「科学で ダニ を撃退せよ」)が必要です。
日光でそこまで温度を上げ、かつ20分以上持続させるのはまず無理でしょう。
ここで重要なのは、布団の内部の温度を上げねばならないという店です。
表面だけが高温になってもダニは奥に逃げれば十分に生き残れます。
真夏日に車の中に布団を入れる
真夏日に車の中に布団を入れる方法は、非常に単純です。
- 暑い夏の日を選ぶ
- 車の中に布団を入れる
- 車内の暑さでダニを焼き殺す
既に黒ビニール袋で触れていますが、以下の点から効果が疑問です。
- 布団内部の温度がダニを殺すレベルにならない
加えて、布団の中だけではなく車内にダニが逃げ込み酷い結果となる可能性があります。
ダニは布団の中でなければ生きられないということはありませんので、車のカーペットとや座席シートの中でも生きていけるため、車内でダニが繁殖しかねません。
なお、黒ビニールに入れてから車内に入れれば一応拡散は防げますが、内部の温度という点で不足することに違いはありません。
布団にアイロンをあてる
布団にアイロンを当てることで、布団の温度を上げて焼き殺そうという方法です。
この方法も、黒ビニールや真夏の車内と同様に以下の点が問題です。
- 布団内部の温度がダニを殺すレベルにならない
いくらアイロンで熱しても、布団内部に温度は伝わりません。
スチームアイロンを使う方法もあるようですが、この場合はまだ内部に浸透する可能性があります。
ただし、スチームの圧力と持続時間が条件が下記を満たせばですが。
- 最低50度で20分以上スチームを継続
- 布団の内部までスチームが届くレベルの圧力
上記の温度と時間(70度で40分というデータもあり)を満たすのは難しいでしょう。
しかもこれはあくまで布団全体に対してであり、一部だけでは意味がありません。
なぜなら、スチームを当てている所から当てていない所へ、ダニが逃げるからです。
ダニに紫外線を当てる
布団専用クリーナーの効果として一時期もてはやされていた紫外線照射という方法があります。
この方法が問題である理由はごく単純なものです。
- ダニは紫外線で死なない
他にいいようが無いくらい単純です。
なお、紫外線でダニが死なない根拠としては「科学で ダニ を撃退せよ」のページ下部をご覧下さい。
真空圧縮する
布団のダニ対策という意味ですが、以下のように書かれているサイトもあります。
- 布団を真空圧縮するとダニが死ぬ
ですが、基本的には以下の結論となるようです。
- ダニは真空では死なない
詳細は「ダニは真空で死ぬのか?」のページをご覧下さい。
密閉した状態でエサがなくなればというのはありえそうですが、洗濯していない布団であれば豊富にあるので何年もかかるかもしれません。
圧縮袋自体の期限が6ヶ月程度が多く、そもそも年単位での補完は無理なので、餓死どころか内部で繁殖する可能性も消しきれません。
条件が揃えば可能性はありますが、基本的には真空圧縮でダニを殺すという方法は信じない方が良いでしょう。
まとめ
「ダニを殺すには熱だ!」というのは間違いではありませんが、安易な方法では明らかに熱量も時間も浸透範囲も不足です。
もちろん「やらないよりはまし!」という考え方もあるでしょうが、車の中に入れる方法のように二次被害(車の中でダニが繁殖)を生むものもあり、あまり気軽に試さない方が無難に思えます。
筆者としましては、無駄にアイロンや紫外線照射装置を買うよりも、布団クリーニングの専門業者に布団の丸洗いを依頼することをお勧めします。
高価な上に使えない家電を買うより遥かに意味のある出費ですから。
ハウスダスト対策の観点から
ちなみに、このページでは触れませんがハウスダスト対策としてはダニを殺すだけでは意味がないので、殺した後のことにも気を配ってください。
ダニの死骸はダニアレルゲンですから、死んだダニ満載の布団で寝るのはまったくお勧めできませんので。