布団に限らず「室内のダニ」という括りになりますが、「鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版(改定7版) ライフサイエンス社」という本にダニの除去方法についての方法が掲載されていましたので、引用します。
なお、この本は耳鼻科の医師などが利用するような医学に関する本ではありますが、医師はダニ退治のプロではありません。
あくまで一般的な情報としてご覧ください。
室内のダニ対策の基本
「鼻アレルギー診療ガイドライン」には以下のように記載されています。
なお、赤字とは筆者によります。
- 掃除機掛けは、吸引部をゆっくりと動かし、1畳当たり30秒以上の時間をかけ週に2回以上行う。
- 布張りのソファー、カーペット、畳はできるだけやめる。
- ベッドのマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかける。
- ふとんは週に2回以上干す。困難な時は室内干しやふとん乾燥機で、ふとんの湿気を減らす。週に1回以上、掃除機をかける。
- 部屋の湿度を50%。室温を20~50℃に保つよう努力する。
- フローリングなどのホコリのたちやすい場所は、拭き掃除の後に掃除機をかける。
- シーツ、ふとんカバーは週に1回以上洗濯する。
ちょっとごちゃごちゃしているので、以下に見やすいようにまとめます。
掃除機の掛け方
まずはダニ対策の基本である、室内の掃除機の掛け方です。
- 掃除機掛けは週に2回以上
- 吸引部はゆっくり動かす
- 1畳当たり30秒以上かける
ゆっくりしっかりが基本で無駄が多いように感じるかもしれませんが、急いで適当に済まし後で2度手間になることを考えると、急ぐよりも効率的です。
布団の干し方
ダニ対策のための布団の干し方です。
- 布団は外で週に2回以上干す
- 外に干せない場合は、室内干しやふとん乾燥機
- ともかく布団の中の湿気を減らす
- 掃除機を週に1回以上掛ける
ダニの繁殖要因の一つが「適度な湿気」ですから、布団を干すことで湿気を取除くのが目的です。
掃除機掛けは、ダニ自体もそうですがダニのエサ(フケなど)やダニアレルゲン(ダニの死骸と糞)の除去という効果もあります。
干し方ではありませんが、他にも重要な布団用ダニ対策があります。
- ベッドのマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかける
- 布団カバーは週1回以上洗濯
布団の場合はダニゼロックスなどでしょうが、高額なものが多そうで、出費が嵩みそうです。
室内全般
室内全般に対してのダニ対策です。
- 布張りのソファー、カーペット、畳は使わない
- フローリングなどのホコリのたちやすい場所は、拭き掃除の後に掃除機
- 部屋の湿度は50%
- 室温は20~50℃
畳もダニが住み着きやすいようで、注意が必要です。
い草は虫を寄せ付けない印象もありますが、目が細かく内側に隙間が多いためか、ダニに関しては逆効果なのかもしれません。
室温や湿度は「できるだけ」という努力目標な感じです。
生きたダニと掃除機
当サイトの別ページに書いていますが、生きたダニは掃除機ではあまり吸えません。が、一匹も吸えない訳ではありませんから定期的な掃除機掛けには意味があります。
また、ハウスダスト(ダニの死骸やフン)は生きたダニのように自力で抵抗しませんから、掃除機の効果も期待できます。
もちろん掃除機の掛け方やふとんなど対象の厚みにもよりますが。
掃除機はあくまで吸う物であり、ダニを殺すものでは無い点は念頭に置いておいたほうがよいでしょう。
殺せるか殺せないかではなく、吸えるか吸えないか、が重要です。
掃除機の排気に注意
室内のハウスダスト対策では、掃除機使用時の排気に注意が必要です。
床上に体積しているハウスダスト(空気中に漂う粉塵の多くも床につもります)は歩くだけでも舞い上がりますが、掃除機の排気はかなりの強さでハウスダストを巻き上げるためです。
とはいえ元々床上につもっているものですから放っておく訳にいきません。
最近では排気を減らしたり独自の機構で軽減している掃除機も多いですが、それでも排気には気をつけて行動しましょう。
少なくとも、排気が強い掃除機の排気口をまだ掃除をしていないハウスダストが積もっていそうな箇所に向けることだけは避けてください。
湿度や温度
日本の気候を考えると、
部屋の湿度を50%室温を20~50℃に保つよう努力する。
というのはまず無理です。除湿器やエアコンはどこのご家庭にもあるのかもしれませんが、それを毎日フルに使う訳にもいきませんし...。
湿度と温度の管理は「ダニが繁殖し辛い環境をつくる」ということが目的ですので、掃除を中心とした方法に力を入れる方がよいように思います。