布団の洗濯を行うことはダニ対策になりますが、ご家庭で実際に布団を丸洗いしたとして、次にするべきは「布団を干す」ことです。
このページでは、布団を洗濯した後の布団干しとダニについて書いてみます。
布団洗濯後の状態
まずはじめに。
布団をしっかりと洗濯できている場合、以下のようなものがある程度布団から取除けているはずです。
- 生きたダニ
- 死んだダニ(ダニの死骸)
- ダニの糞
- 人間のフケやアカ
- カビ
- その他汚れや細かいゴミ
ハウスダストに関わるダニアレルゲンは、上記のうち「死んだダニ(ダニの死骸)」「ダニの糞」です。
これらは水溶性であるため水に溶けますから、ご家庭でもそれなりに取れているはず。
対して、生きたダニは以下の理由によりそれなりの数が生き残っている可能性が高いです。
- 洗濯程度の時間でダニは水死し難い
- 家庭用洗濯機の水流ではダニを繊維から引きはがせない
- 洗濯中に浴びる洗濯洗剤程度ではダニは死ににくい
上記を踏まえて本題です。
布団を干してダニは死ぬか?
いきなり結論ですが、布団を干した程度でダニは死にません。
天日干しであれ、陰干しであれ、布団を干すという行為にダニを殺す効果はないと考えていたほうが良いです。
太陽の熱ではダニは死なない
ダニは50度以上で長時間熱に晒されなければ死にませんので、常識的に考えて太陽の光では死にません。
あなたが砂漠などに住み、太陽光がいつでも非常に強く降り注ぐ場所にいるのでは無い限り、温度も日照時間も足りません。
特に日本は季節ごとや天気ごとの差が激しく、より難しいでしょう。
黒のビニール袋にいれてもダニは死なない
家庭の知恵、のようなもので「布団を干す時に黒のビニール袋に入れるとダニが死ぬ」というものがあるようですが、まず期待できませんし、効果が0でなくとも非常に効率が悪い手段です。
前述のように温度が50度以上で時間もそれなりに必要ですから、日本では夏場の快晴のお昼であっても難しいでしょう。
「◯時間光が当たっていればいい」ということではなく、「50度以上になって◯時間」が必要なのですから。
また、もしも洗濯後に黒ビニール袋を使うなどと考えている方には、ぜひ落ち着いて頂きたいのです。
湿った布団を密閉した高温の袋の中になどいれれば、相当臭うのではないでしょうか?
加えて、仮にダニが死んでも死骸が残るため、また洗濯をせねばなりません。
無駄に無駄を重ねる方法に思えます。
布団を叩いてもダニは死なない
さすがに「布団を叩いてダニを殺そう」と考える方はいないとは思いますが、当然布団を叩いてもダニは死にません。
布団を叩くと細かい埃が永久かと思えるほど出て来ますが、これは布団の中に籠ったダニアレルゲンを含む細かい粒子であり、ダニが布団から飛び出しているわけではありません。
ダニが布団からはがれる数が0だとはいいませんが、洗濯では落とせなかった布団の中の汚れを表面に散乱させる結果となり、ハウスダストの影響で鼻炎などに苦しむ結果となってしまい、おすすめできません。
洗濯以上にダニを取除くのは難しい
現実的に考えて、布団をからダニ(とダニアレルゲン)を取除くのは洗濯が一番です。
次いで、洗濯後や洗濯する暇がない時は布団の掃除機掛けがおすすめできます。
しかし、布団を干してもダニ対策の効果はまず期待できません。
もちろん洗えば干さねばならず、布団を干すこと自体は重要ですが、ダニ対策としては考えない方がよいということです。
コインランドリーの効果
コインランドリーに布団を持ち込み、大型の乾燥機に入れるという方法であれば、確かにダニを殺せる可能性は高いです。
ただ、この場合コインランドリーの乾燥機後にしっかりと布団を洗濯しなければなりません。
布団の中にダニの死骸を残せば、それがアレルゲンとなり鼻炎や皮膚炎を引き起こしますので、なんとしても取除く必要があります。
なお、コインランドリーの乾燥機には大きさや性能の他に気になる点もあります。
それは、乾燥機はあくまで乾燥機のため、仮に布団を乾燥させた場合に飛び散ったダニアレルゲンが、乾燥機の中に散乱し堆積しているのではという点です。
使うたびに清掃されているわけはありませんし、共用の物ですし、清潔とはいえないでしょう。
ご家庭でも、コインランドリーでも、自力でダニ駆除というのは大変そうです。