布団の洗濯がダニ対策の面で与える効果は、掃除機を上回りますが、掃除機と同様に間接的なものです。
効果を理解し、過度の期待をもたないほうがよいです。
ただ、決して無意味ではありませんから、その点は安心してください。
ダニ対策における布団の洗濯効果
それでは本題です。
ダニ対策の観点から、布団を洗濯することでどういう効果が期待できるのかを以下に挙げます。
- ダニのエサとなる皮脂やフケなどの汚れをかなり落とせる
- 布団の中のダニのいくらかを布団の外に流し出せる
基本的にはこの2つです。
ダニのエサを取除ける
ダニも生きていくためにエサを食べねばならず、布団にはそのエサが豊富なので繁殖しやすくなります。
そしてそのダニのエサとなるのが、皮脂やフケ(はがれ落ちた皮膚のカケラ)やアカなど人間の身体からでてくる老廃物です。
重要なのは、このダニのエサ(に加えてハウスダストの原因となるダニのフン・ダニの死骸・カビ)は水溶性の汚れである点です。
水溶性の汚れは水に溶かして除去できますから、布団を洗濯することでダニのエサを一掃して取除き、ダニの繁殖を抑えることが可能となります。
これはなにも布団だけの話ではなく、毎日洗濯している衣服などの汚れ落としと同様の効果を求めているだけにすぎません。
より簡単に言えば「布団の汚れを落とすことがダニ対策になる」という簡単なものですが、ダニの繁殖抑制を考えますと非常に効果的です。
残念ながら水を使わなず吸い取るだけの掃除機では皮脂やアカは取れませんから、その点で布団の洗濯の方がダニ対策には効果的だと言えます。
ダニをある程度取除ける
洗濯の水流と洗剤によって、布団のダニをある程度取除くことが可能です。
注意しなければならないのは、「ダニをある程度取除くことができる」という点です。
ダニに限らず虫全般に言えることですが、ダニは体重が非常に軽いわりに腕や足の力は非常に強力です。
そのため、布団の繊維に手足を引っかけることで、洗濯の水流にも十分に耐えることが可能です。
また、洗剤などの薬剤に対しても耐性が強く、仮に洗剤にダニを直接つけ込んだとしてもすぐには死にません。
そのため、効果が0とはいいませんが、洗濯中の薄まった薬剤ではダニを殺すことが難しいと言えます。
熱水洗濯機でダニを殺す
論文を調べたところ、60度以上の熱水(熱湯)を使う洗濯機であればダニを取除ける(熱水で殺せているのかは不明)可能性があることがわかりました。
詳細は別のページにまとめていますので以下をご覧下さい。
ただし、実際に布団そのもので実験されておらず、そもそもご家庭で布団が洗濯できる熱水洗濯機を購入できるのかという問題点もあり、あまり現実的はないかもしれません。
家庭用の洗濯と専門業者の洗濯
水流や薬剤の効果が0でないという前提に立つと、効果を上げるにはどうすれば良いかが見えて来ます。
答えは以下の通り。
- より強い水流で洗濯する
- より効果的な薬剤で洗濯する
上記のように水流も薬剤もより強力な状態にすれば、洗濯によるダニ駆除の効果UPが期待できそうです。
しかし、電力やモーターの馬力などに制限のある家庭用の洗濯機では、より強い水流を生み出すことはまず無理でしょう。
薬剤に至っては、そもそも汚れを落とす洗剤しかありませんので、ダニを殺すための薬剤自体がまず手にはいりません。
そのため、現実的には布団クリーニングの専門業者に依頼する必要があります。
専門業者であれば、専門の強力な大型洗浄機や、ダニ駆除に適した薬剤を備えていると期待できるためです。
無理にご家庭で洗濯しても、大変な思いをするわりに効果が薄いのであれば、お金をかけてでも専門業者に依頼したほうがよいと思います。